ワサビの基礎知識

 

ワサビは自体が単体で料理としての主役になるわけではありませんが、何しろいろいろな料理の引き立て役として欠かせない存在です。特にお刺身や寿司ではワサビが無いと始まらないくらいです。

 

それほどまでに特に日本の食卓では大活躍のワサビですが、漢字では「山葵」と書き、アブラナ科ワサビ属の多年生水生植物で日本原産となっています。もともとは山間の涼しい谷川のキレイな水の浅瀬に自生していた植物ですが、昔から栽培も行われていました。

 

しかしご存知の通り、ワサビの栽培では水質、水温、土壌など条件が厳しくて、収穫できるまでの日数もかかり、希少価値のある高価な食材となっています。生育が比較的早いのは「実生系」で、これは植え付けてから1年~1年3ヵ月程度で収穫できます。これが特に子かな「真妻系」となると、生育が遅いうえに水質も選びます。植え付けてから1年半~2年経たないと葉わさび、花わさびの収穫はできません。大きさも実生ほどは大きくなりません。

 

反面、おろせばさわやかな辛味が強くて、ほのかに甘味もあり、よく粘り、これが日本人の嗜好とは大変合うのです。

 

また、ワサビはメインとなる根茎部分以外にも、葉柄や花芽が収穫されて、季節を感じる食材として人気があります。

 

西洋ワサビというのもあります。一般的に本ワサビと呼ばれているのは日本のものですが、「わさび大根」、「レフォール」などと呼ばれるのが西洋ワサビです。これは「練りワサビ」などの原料にもなっていて、色がやや白っぽいのですが風味自体は本ワサビとよく似ています。